IHクッキングヒーターの仕組みを徹底解明!なぜ火がないのに熱くなる?
IHクッキングヒーターの「不思議」を解き明かす
「火が出ていないのに、どうしてお湯が沸くの?」
「IHって電気が熱くなっているだけじゃないの?」
キッチンリフォームや新築を検討する際、IHクッキングヒーター(以下、IH)の導入を迷われる方の多くが、その加熱原理に疑問を感じています。
ガスコンロのように目に見える「炎」がないため、仕組みが直感的にわかりにくいのは当然のことです。
しかし、IHの仕組みを正しく理解すると、ガスコンロよりも高い熱効率や、緻密な温度コントロール、そして圧倒的な安全性といった、IHならではの価値がより明確に見えてきます。
今回は、IHの心臓部である「電磁誘導加熱」の原理から、毎日の料理が楽しくなるメリットまで、プロの視点で深掘りしていきます。

IHクッキングヒーターとは?ガスとの根本的な違い
まず、IHという言葉の定義から確認しましょう。IHとは「InductionHeating(電磁誘導加熱)」の略称です。

加熱対象の違い
ガスコンロ
ガスを燃焼させて「炎」を出し、その熱で鍋を外側から温めます。
この際、熱の多くは周囲の空気にも逃げてしまいます。
IH
電気の力を使い、鍋そのものを発熱体に変える仕組みです。
トッププレート自体が熱くなるのではなく、上に置かれた調理器具の底に熱を発生させます。
つまり、IHは「コンロが熱くなる」のではなく、「鍋が自ら熱くなる」装置なのです。
この違いが、IH特有のメリットを生み出す源泉となっています。
IHが熱くなる4つのステップ:電磁誘導加熱の原理
なぜ電気の力だけで、金属の鍋が熱くなるのでしょうか。
そのプロセスは、物理学の法則に基づいた4つのステップで構成されています。

①渦巻状のコイルに電流を流す
IHのガラストッププレートの下には、細い銅線を渦巻状に巻いた「加熱コイル」が配置されています。
スイッチを入れると、このコイルに高周波の交流電流が流れます。
②コイル周辺に「磁力線」が発生する
コイルに電流が流れると、物理学の「右ねじの法則」などに基づき、コイルの周囲に目に見えない磁力線(磁場)が発生します。
この磁場は、電流の向きが変わるたびに激しく変化します。
③鍋底に「うず電流」が生まれる
磁力線がガラストッププレートを突き抜け、上に置かれた鉄やステンレスなどの磁性体(鍋の底)を通過します。
すると、鍋底の金属部分には、磁場の変化を打ち消そうとする電気の渦「うず電流」が発生します。
④金属の「電気抵抗」で発熱する
金属には電気が流れにくい性質、つまり「電気抵抗」があります。
鍋底に発生した「うず電流」が、この金属の抵抗にぶつかることで摩擦熱のようなエネルギーが発生します。
これが「ジュール熱」と呼ばれる熱の正体です。
この一連の流れにより、火を使わずに強力な加熱が可能となるのです。
意外と知らない!IHの温度調整と安全機能の裏側
「火加減が見えないから使いにくいのでは?」という不安の声をよく耳にします。
しかし、最新のIHは、デジタル制御によってガス以上の繊細な火力調整が可能です。

電流の量で「強火・弱火」を瞬時に切り替え
IHの火力調整は、内部のコイルに流す電流の量を調整することで行われます。
強火
大量の電流を流し、強い磁界を作って大きなうず電流を発生させる。
弱火
電流を細かくコントロールし、発熱量を抑える。
ガスのように炎の高さで判断するのではなく、操作パネルに表示される「1~10」などの数値や、「とろ火」「強火」といった表示を見て設定します。
設定した火力が常に一定に保たれるため、煮込み料理や揚げ物の温度管理において、ガスよりも再現性が高いのが特徴です。
賢いセンサー「サーモスタット」と過熱防止
現在のIHには、高精度な温度センサー(サーモスタット)が搭載されています。
鍋底の温度を直接、あるいは赤外線で検知し、設定温度を超えそうになると自動で電流をカットします。
また、空焚きを検知して自動停止する機能や、鍋がない状態でスイッチを入れても作動しない機能など、電子制御ならではの安全策が二重三重に施されています。
IHクッキングヒーターを選ぶ5つのメリット
仕組みを理解したところで、実際に導入することで得られる具体的なメリットを見ていきましょう。

①圧倒的な「熱効率」の良さ
ガスコンロの熱効率が約40~50%と言われているのに対し、IHは約90%という驚異的な熱効率を誇ります。
エネルギーのほとんどが鍋の加熱に使われるため、お湯が沸くスピードが非常に速く、光熱費の無駄も少なくなります。
②夏場でもキッチンが暑くならない
ガスコンロは周囲の空気も温めてしまいますが、IHは鍋だけを温めます。
そのため、夏場の調理中にキッチンがサウナ状態になることがありません。
エアコンの効きも良くなり、快適に料理を楽しめます。
③火災リスクの大幅な低減
「火」そのものを使わないため、着衣着火やカーテンへの燃え移りといった火災リスクが激減します。
また、立ち消えによるガス漏れや一酸化炭素中毒の心配もありません。
高齢者世帯や小さなお子様がいるご家庭で選ばれる最大の理由です。
④お手入れが驚くほど簡単
トッププレートは凹凸のない真っ平らなガラス製です。
吹きこぼれや油跳ねがあっても、調理後にサッと一拭きするだけで掃除が完了します。
五徳を外して洗う手間から解放されるのは、家事の時短において大きなインパクトがあります。
⑤安定した低火力(とろ火)が得意
ガスでは消えてしまいそうな微弱な火力も、IHなら一定の電力供給で安定して維持できます。
チョコレートの湯煎や、長時間のコトコト煮込み料理は、IHが最も得意とする分野の一つです。
IH導入前に確認したい注意点
メリットの多いIHですが、導入後に「失敗した」と思わないためのチェックポイントもあります。
使える鍋が限られる
アルミや銅、耐熱ガラスの鍋などは、磁力線に反応しないため使用できません(オールメタル対応機種を除く)。
基本的には「鉄」や「磁石がくっつくステンレス」の鍋が必要です。
鍋を振る料理には不向き
プレートから鍋を離すと加熱が止まるため、中華料理のように鍋を煽る調理にはコツが必要です(最近は浮かしても加熱が続く機種も登場しています)。
停電時は使用できない
電気をエネルギー源とするため、災害時の停電には弱いです。
カセットコンロを常備しておくなどの対策が推奨されます。
まとめ:理想のキッチンライフへ
IHクッキングヒーターは、単なる「火を使わないコンロ」ではありません。
緻密な物理現象を応用し、エネルギーロスを最小限に抑えながら、安全性と利便性を極限まで高めた「スマートな調理器具」です。
掃除の負担を減らしたい、夏場のキッチンを涼しくしたい、家族の安全を守りたい。
そんな願いを叶える選択肢として、IHは非常に有力なパートナーとなります。
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なお、ショールームへお出かけの際には自宅の平面図・立面図をお持ちいただくと寸法・設置位置等のプランが正確になり、商品の手配、選定ミスが防げます。





















































